はじまりは、ひとりのピッツァイオーロの言葉だった。
「もっと、自分の理想のピッツァを追い求めたい」。そう打ち明けてくれたのは、207渋谷でチーフピッツァイオーロを務めていた田中竜二だ。
207渋谷では、ビルの仕様もあって、ガス窯でピッツァを焼いている。もちろん、ガス窯でもおいしいピッツァは焼ける。けれど、薪窯には、薪窯でしか焼けないピッツァがある。
それは、葉山の207でわかっていた。葉山の窯は薪窯だ。たとえ同じ職人が焼いても、焼き上がるピッツァは違うものになる。
田中がピッツァに人生を賭けていることを、知っていた。誰よりも真摯に、ピッツァと向き合ってきたことも。
君の考える最高のピッツァを焼く店を、つくろう。
その答えが出るまでに、時間はかからなかった。
どうせ挑むなら、いちばん舌の肥えたお客様が集まる場所で。港区のど真ん中で戦おう。その戦いこそが、田中のピッツァを、さらに上へ、上へと押し上げてくれるはずだと思った。
けれど、場所探しは難航した。薪を使う。煙突を伸ばさなければならない。ビルのオーナーからすれば、歓迎しにくい話ばかりだ。見つかるまでに、とても長い時間がかかった。
その場所も、縁が運んできてくれた。古い一軒家のオーナーが、Café Apéro 西麻布の常連だったのだ。
GRAPES なら、どのように使ってもらってもかまわない。オーナーからそんな信頼をいただき、都心のど真ん中に、薪窯のピッツェリアをつくることができた。
店の名は、pizzeria la nuvola。イタリア語で「雲」を意味する。極限まで水分を含ませた生地を、高温の薪窯で一気に焼き上げる。外はさっくり、中はみずみずしい、雲のように軽やかなピッツァだ。
カジュアルだけれど、本当に良い素材を使って、本当に良いピッツァをつくる。麻布のお客様は、決して安くはないピッツァに、その値段を上回る味わいがあるかどうかを、しっかりと確かめてくださる。
「まだまだ、まだまだおいしくできます」。田中は、いつもそう言っている。
その旅路の果てに、世界最高のピッツァが生まれる。そう期待せずにはいられない。
Team( 店をつくる人 )

シェフピッツァイオーロ
田中 竜二
「PIZZERIA CIRO 桜新町店」でピッツァの基礎を学び、「Mondatta」、「TRATTORIA PIZZERIA 207 渋谷店」で経験を積む。
自らの理想とする生地を形にしたいという思いから、2026年6月、pizzeria la nuvola のシェフピッツァイオーロに。

キッチン
田中 碧

サービス
市川 泰子
Information( 店舗情報 )
- 住所
- 〒106-0031
東京都港区西麻布4-3-8 セブンリーブス西麻布 - アクセス
- 広尾駅 4番出口より徒歩8分
- 電話
- 03-6805-1802
- 営業時間
- 月・木・金・土・日・祝日 11:30〜15:00(L.O. 14:00)、17:00〜23:00
- 定休日
- 火曜日・水曜日
- 席数
- 35席
- 開業
- 2026年6月












