元麻布の静かな住宅街に、エクアトゥールという店があった。フランス料理と、ワインの店。何度か通った店であり、店を営むひろこママは、知人でもあった。
そのひろこママから、エクアトゥールを閉めると聞いた。
いの一番に、手を挙げた。この大切な場所と、そこに込められた思いを引き継ぐのは、自分たちだと思ったからだ。
ちょうど同じ頃、まったく別の話が持ち上がっていた。2023年に石橋和樹シェフとともに群馬・前橋で開いた cépages を、移すか、あるいは広げるか。
ふたつの話は、やがてひとつに合流する。こうして2026年の春、cépages - de la nuit が生まれた。
フレンチであり、ワインであったエクアトゥール。その系譜を胸に抱きながら、思い描いたのは石橋の料理だった。
石橋の料理は、フレンチでありながら、どこか日本を感じさせる。それでいて全体はシンプルで、日本人の舌にすっとなじむ。そのイメージを、そのまま内装に当てはめていった。
古いテナントビルだ。天井は低く、梁も大きい。ふつうなら欠点になるその形を、逆に生かした。梁に沿って、屋根のような天井をかける。そこに、日本の息吹を残した。
その下に、大きなライムストーンのテーブル。そして、現代アート。和と洋、古いものと新しいものが、ひとつの空間のなかで静かに響き合う。
丁寧な下ごしらえと、端正で軽やかな味わい。素材の味をまっすぐに引き出す料理に、三百種を超えるワインが寄り添う。
空間は静謐でありながら、サービスはあくまでフレンドリーに。深夜まで扉を開け、コースでも、アラカルトでも、ワインだけでも。夜の深まりとともに、気軽に使える店でありたい。
本来なら交わることのなかったものを、交わらせる。そして、まったく新しいものへと昇華させる。エクアトゥールの記憶と、前橋で磨かれた料理と、元麻布の夜。cépages - de la nuit は、とても GRAPES らしい店である。
Team( 店をつくる人 )

シェフ
石橋 和樹
Kazuki Ishibashi
1987年、千葉県生まれ。祖父のつくる米や野菜を食べて育つ。2008年に武蔵野調理師専門学校を卒業後、「アピシウス」で8年半修業。2017年には「レフェルヴェソンス」でセクションシェフを担当する。
2022年に GRAPES に入社し、2023年6月、群馬・前橋に cépages を開く。前橋の cépages は食べログアワード Bronze を受賞。2026年、店とともに元麻布へ移る。ソムリエ、SAKE DIPLOMA の資格も持つ。
「料理はよりシンプルに。でも、一品一品については、以前より深く考えるようになりました」

マネージャー兼ソムリエ
山田 晃一郎
フランスでワインを学ぶ。入手困難な銘柄を含む300種を超えるワインから、料理に寄り添う一本を選び、ペアリングを組み立てる。

サービス
梅林 萌

キッチン
山下 駿輝
Information( 店舗情報 )
- 住所
- 〒106-0046
東京都港区元麻布3-6-34 カーム元麻布242 2F - アクセス
- 麻布十番駅より徒歩11分
六本木駅より徒歩10分 - 電話
- 03-6804-6070
- 営業時間
- 平日 17:00〜2:00(L.O. 0:00)
- 定休日
- 土曜日・日曜日・祝日
- 席数
- 12席(カウンター6席、個室6席)
- 開業
- 2026年5月










