その話は、突然やってきた。
NANZUKA Gallery の南塚氏から。渋谷にバーを出すのだが、その隣で店をやらないか、と。
大型ビルのテナントに入るのも、竣工前から工事に加わるのも、GRAPES にとっては初めてのことだった。自分たちには、ずいぶんと高いハードルの世界。けれど、こんな縁はそうめぐってくるものではない。やるしかない。腹を決めた。
長く渋谷で仕事をしてきたから、この街がどんな場所かは、肌で少しはわかっている。ちょっと気分が上がる、ちょっとした記念日に出かけたくなる。そんな素敵な店が、思っていたよりも少ない。
この場所は、渋谷といっても青山側にある。渋谷から歩いてくる人と、表参道から歩いてくる人が、ちょうど交わるところだ。少しだけ表参道のほうを向きながら、渋谷の気軽さも取り入れたい。あれこれと考えをめぐらせるうちに、ふと気づいた。そのまじり合った空気が、葉山の207に、どこか似ている。
そこから、207を渋谷へ連れてくることを考えはじめた。
葉山の207は、海も、空気も、ゆるやかな時間の流れも、その土地の魅力を余すところなく生かしている。
渋谷は、そうはいかない。お世辞にも、景色がいいとも、空気がいいとも言えない。この都会では、自然を味方につけることはできない。ならば、この空間のなかに、都会の美しさを閉じ込めるしかない。
いくつものアイデアが浮かんでは消えた。照明デザイナーの吉岡と話を重ね、たどり着いたのが「星空のレストラン」というコンセプトだった。
おびただしい数の照明を使って、都会のただなかに星空をつくり出す。何度も、何度も、光を調整した。ひとつひとつの灯りを確かめながら、少しずつ空をかたちにしていった。
そうして生まれた店は、まるで渋谷に星空が降りてきたようだった。昼は、光の差し込む開放的な店内。夜になると、天井いっぱいの灯りが、星のようにまたたきはじめる。
料理は、葉山の207がベースだ。毎朝、葉山からしらすが届く。葉山の魚介に、葉山石井牛。手打ちのパスタと、窯で焼き上げるナポリピッツァ。そこから少しずつ、少しずつ、もっとおいしくなるように磨き続けている。
大切な人と過ごす、大切な時間。その時間を、もっともっと彩れる場所になれるように。渋谷の星空の下で、207 は今日も灯りをともす。
Team( 店をつくる人 )

シェフ
西銘 剛史
自由が丘の人気イタリア料理店で、長年シェフとして腕を振るう。2024年7月、TRATTORIA PIZZERIA 207 渋谷店の開業とともにシェフに。

マネージャー兼ソムリエ
藤井 瑛理佳

ホールマネージャー兼ソムリエ
東郷 拓也

キッチン兼ピッツァイオーロ
井上 史音

ピッツァイオーロ
鈴木 乃偉

キッチン
山崎 晃

キッチン
稲澤 尚徳

キッチン
積山 優一
Information( 店舗情報 )
- 住所
- 〒150-0002
東京都渋谷区渋谷2-17-1 渋谷アクシュ2F - アクセス
- 渋谷駅 至近(銀座線ヒカリエ改札から徒歩1分)
- 電話
- 03-6427-6616
- 営業時間
- 平日 11:00〜15:00(L.O. 14:30)、17:00〜23:00(料理 L.O. 22:15)
土・日・祝日 11:00〜23:00(L.O. 22:15) - 定休日
- なし(渋谷アクシュに準ずる)
- 席数
- 61席(テーブル50席、カウンター5席、テラス6席)
- 開業
- 2024年7月












